お部屋改造アドバイス実例集!リビングの棚上のごちゃごちゃ改善編
こんにちは。
インテリアコーディネーターの安達剛士です。
今回は、ご相談をお受けして実践した、
お部屋の改善アドバイス事例をご紹介します。
先日、あるお住まいのご相談をいただきました。
ご夫婦とお子さん、それとおじいちゃん、おばあちゃんで暮らす戸建て住宅。
そんなお宅における奥様の悩みが、「何かとごちゃごちゃしていて落ち着かないけど、どこをどう直したらよいか分からない」でした。
奥様が気になっているポイントはお部屋の中でもいろいろとありましたが、まずは私が最も気になったポイントから着手することに。特に私が引っかかったのが電話の置かれているこの一帯でした。
自然と目がいくのは、書類が山盛りになっているウォールポケットや、賑やかな感じになっているチェスト(タンス)周り。お部屋の印象を大きく左右していた一角です。
ただ、一方で私が注目したのは、違う種類のチェストが並んでいながらもサイズは揃っているし、ピンクのカラーボックスとも奥行きがピッタリなところです。
「もともとお部屋づくりの基本は備わっていて、モノ、環境が整えばもっと楽しみながら空間をつくることができるんだろうな!」と可能性を感じました。
そしてどうなったか・・・はじめに結果をお見せします。
先程の「before」に対して改善後の「after」の様子がこちらです。
見違えるようにスッキリとした一角になりました。ここまでに変わった印象も、簡単ないくつかのポイントを押さえて実行しただけ。そんなポイントをお話しします。
まずは、理想と現実を擦り合わせるところから
奥様の理想は「全体的に白を基調としたシンプルな雰囲気」でした。
そんな希望を叶えながら、生活する上で重要な使い勝手もよくするため、この一帯の改善に対して、3つのポイントに分けてプランを立てました。
♦︎ターゲットとなる3カ所
①ついつい書類を溜めてしまうウォールポケット
②小物がごちゃごちゃしてしまう電話横スペース
③ステッカーやカラフルな色が目立つチェスト
これらの課題を解決するために決めたテーマが、「あちこちに散らばっている色の情報を絞ってシンプルにすること!」です。
ついついやってしまう習慣が、いつの間にか問題に
まずは、①の解決からスタート。
書類って放っておくとあっという間に溜まってしまいますよね。こちらのお部屋でも溢れ出さんばかりの書類がウォールポケットに詰まっていました。
常々思うことですが、片付かなくなるのって根本的に「面倒臭さ」が先に立ってしまうからなんですよね。私も一旦散らかり始めると、何となくその環境に流されてしまい、本格的に片付け始めるには腰が重くなってしまいます。
そこでまず、この空間にウォールポケットが必要か不必要かから考えることにしました。
私が考える、ウォールポケット(透明ポケット)のメリット・デメリットを簡単にまとめてみました。
【メリット】
・モノを入れやすい
・透けているので収納物が把握しやすい
・ポストカードなどを入れてそのまま飾ることもできる
・壁面に収納をつくることができてスペースを有効活用できる
【デメリット】
・中身がかさんでくると取り出しにくい(書類だと崩れてしまうことも)
・クリア過ぎて中身が丸見え(ごちゃごちゃ感が出やすい)
・壁の余白を消しすぎて部屋に圧迫感が出る場合がある
そして、私が最大の【デメリット】だと考えたのが、お手紙などポケットに収まり切らなくなっても、無理やり差し込んでいくと何となく収まったように錯覚してしまうところです。
その状態に見慣れてしまうと、後は崩れるまで無限に放り込んでいってしまう・・・
(個人差はあると思いますが。)
改善プランとして、「書類は見えないところに!」なんて言えちゃえば簡単なのですが、それだといざというときに大事な書類が見当たらなくなったりするなど、使い勝手に不都合が現れてくることが予想されます。
プランの実行で課題を解決!
そこで立てたのが、プランその1「書類は収納力があって、もっと気軽に出し入れできるものへ」です。
実際にプラン1を実行した様子がこちらです。
ウォールポケットに入れていたものを置き型のボックスへ変更。このタイプの良いところは何といっても「気軽に放り込める」というところです。
少々雑に入れ込んでも箱の目隠しで見えない。そして、クリアなポケットでは丸見えだった書類は視覚的に色味も多くて悪目立ちしていたのが、大部分が箱で見えなくなるのですっきりと見える。またボックスの色は、「白を基調にしたお部屋」に向けて白を選んだことで、よりシンプルに。これであっという間に大きな課題の解決が図れました。
そして、実は同時に②の課題を解決するプランも兼ねていました!
「②小物がごちゃごちゃしてしまう電話横スペース」にあるものもできる限りボックスに収めました。こちらは使い勝手を考えて少し浅めのものを選ぶという奥様の工夫もgoodでした。これで、見た目にこまごまと雑多な印象を与えていた文房具類も、無理なく収納に成功しました。
次なる難題、課題③へ
さて、次に待ち受けているのが「③ステッカーやミッキーの大きな絵柄が目立つチェスト」です。
左のチェストのステッカーは剥がせたにしても、右のチェストのカラフルな印象はどうしたものか・・・。
そこで当初考えたプランは、ミッキーマウスのチェスト表面を「リメイクシート」で貼って隠す方法でした。リメイクシートは100円ショップなどでも手に入るなど広く流通しています。
(例)リメイクシート 白 →こちら
ただ、このままシートを貼るにはチェストの取っ手が邪魔になります。
でも、引き出しの内側からネジ等で留められている構造のものが多く、一度取っ手を外してシートを貼れば、きっと綺麗に貼れる可能性が高いです。そして実行に移そうと計画を立てていると・・・。
実はミッキーマウスの描かれているシートが引き出し手前のクリアな板に1枚挟んであるだけということが判明し、そのシートを抜けばOKでした。(結局、リメイクシートは使わずでした。)
それでも、長年の使用で表面に傷が目立つこともあり、クリアシートをこの先貼るかどうかは継続検討に。そして加えて、カラフルな取っ手も木目調のものなどに変更して雰囲気を変えることも新たに考えるなど、次なるアップデートも検討中です。
さらに、ウォールポケットを外したことで生まれた壁面スペースも、余白をゆったりと使いながら植物を飾ったりできる棚の取り付けも計画。たった一部分の模様替えでも、ご家族の中で暮らしを楽しむアイデアが次々と見つかっています。身の回りを少し見直すだけで、快適さだけでなく、より前向きになっていく気持ちや思考を得ることもできるのです。
さて、次回は・・・
実はこちらのお宅でもう1カ所、別のスペースの改造計画を行いました。
こちらの「before」がどう変わるのか。どうぞお楽しみに。
foglia(フォーリア)は山陰・米子を拠点にインテリアの魅力を発信しています。